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1. 結納とは?
結納とは、日本の伝統的な婚約の儀式のことをいいます。
一説によると約1600年前から行われているとされ、その内容は結婚する男女両家の間で「結納品」をはじめとする金品を取り交わすというものです。
結納品の内容や品数、結納金の金額などは、地域によって異なります。
ひとくちに結納といっても、伝統的作法に則った「正式結納」と、簡略化された「略式結納」の2種類があります。
2. 結納品って何?
「結納品」とは、結納の際に両家で取り交わされる品物のことです。
内容は、帯や着物、夫婦の結びつきを祝う縁起物で構成されています。
婚約指輪や酒肴料といった金品が含まれることもあります。
結納品の内容
結納品は正式には9品目ですが、7・5・3の奇数が基本です。
地域によっては11~21品目を飾るところもあります。
正式結納の結納品は、以下のようになります。
- 目録
- 長熨斗(ながのし/のしあわび)
- 末広(すえひろ/白無地の扇子)
- 子生婦(こんぶ)
- 寿留米(するめ)
- 金宝包(きんぽうづつみ/結納金)
- 友志良賀(ともしらが/白い麻糸の束)
- 勝男節(かつおぶし)
- 家内喜多留(やなぎだる/酒料)
3. 結納品はどうやって使うの?
結納品は、結納式にて男性から女性へ、もしくは同時交換で贈られます。
正式結納では仲人の手によって、男性側から女性側へと運ばれます。
略式結納では、仲人と本人同士、両家立会いの下、結納品を飾り付けその場で贈る形が一般的です。
結納式後の結納品の取り扱い
結納式が終わった後、基本的に結納品は自宅の床の間などに飾っておきます。
期間としては、結婚式が終わるまでが一般的とされています。
ただし、結納から結婚式まで長期間空く場合や、飾っておくスペースがな場合などは、見えないところにしまっておいても大丈夫です。
結婚式が近づいたら見えるところに飾り、お祝いのお客様が来るときなどに目に付くようにしておきましょう。
食品は食べてもいいの?
するめやこんぶなどの食品は、飾り終わったら食べてしまって大丈夫です。
結婚式まで長期間空く場合は、中身を取り出し、水引飾りだけを飾っておくようにしましょう。
水引は捨ててしまっていいの?
結納品に付いている立派なお飾りは、そのまま捨ててしまうのがもったいないですね。
とっておきたい人におすすめなのが、お飾りへのリメイクです。
結納品を扱う専門店に持っていくと、水引飾りを使って世界で一つだけの羽子板飾りや兜飾りを作ってもらうことができます。
羽子板飾り
羽子板飾りは、女の子が生まれたときの初正月のお祝いに使うと縁起が良いとされています。
専門店ではケース付きの羽子板飾りにしてもらえるので、床の間などに飾ることが出来ます。
鶴や亀、松・竹・梅、指輪飾りがよく使われますが、それ以外の水引きでも作ることができます。
ケースの有無やサイズなどは相談できるところが多いようです。
兜飾り
男の子の誕生を祝うために、結納品の水引きを株と飾りにリメイクすることもできます。
こちらはケース付きの飾りとなり、かぶることはできませんが華やかなお飾りに仕上がっています。
4. 扇子や敷物はどうしたらいいの?
末広の白無地扇子は慶事の挨拶用に使用することができますので、ぜひ取っておくことをおすすめします。
敷物や風呂敷がある場合は、こちらも実用品として使えるので処分せずに取っておきましょう。
敷物は節句の飾りの下に敷くこともできます。
目録
目録は記念としても、何を頂いたかの確認としても役立ちますので、捨てずに取っておきましょう。
結納品を入れていた箱やお盆など
衣装箱やお盆として、普通に使うことができます。
関西式結納で欠かせない高砂人形は縁起物なので、ぜひ床の間などに飾っておきましょう。
5. 結納品の処分方法
食品ではなく飾りとしての熨斗(のし/のしあわび)や、結納品が入っていた箱、ご祝儀袋、使わない飾りなどを処分するときは、神社やお寺に処分をお願いします。
結婚式が終わり新しい生活が落ち着いたら、神社やお寺に持っていってお焚き上げしてもらいます。
6. 結納品は人にあげてもいい?
結納品は原則として使いまわしはしません。
しかし、地域によっては兄弟姉妹などで使い回す風習のところもあるようです。
この場合、「福分け」といって縁起の良いしきたりなのだとか。
ただし、多くの地域では使い回しは良しとせず、友人など他の人に譲るのはNGとされています。
7. 結納品は売ってもいい?
不要になった結納品は捨てるのはもったいないから売りたい…と思う人もいるかもしれません。
記述のように結納品は使い回しをしないものなので、売ったり譲ったりは原則としてしません。
しかし、リサイクルショップやネットオークションなどで取り扱われているものがあるのも事実で、結論として「売ろうと思えば売れる」と言えるでしょう。
とはいえ、新しさやきれいさ、まとまりの良さが求められるので、あまり高額では売れないと思っていた方が良さそうです。
婚約指輪などの貴金属類や帯着物といった宝飾品であれば、不要になれば売る人が多いようです。