神前式とは?場所・服装・当日の流れ・費用などを徹底解説

1. 神前式とは?

神社に祀られている神様に結婚を誓う

神前式は、神社に祀られている神様の前で、結婚を誓う挙式のことをいいます。

神前式は、日本の伝統的な挙式スタイルと考えられていますが、実は現在の形式になってからまだ100年ほどしか経っていません。

神前式の起源は室町時代といわれており、当時の結婚式は3日ほどかけて行われていたといわれています。

明治33年に、東京大神宮(当時の日比谷大神宮)で大正天皇が挙式をあげたことから、現在のスタイルが始まりました。

両家の家族をつなぐ

神前式は、新郎新婦が結ばれるだけでなく、双方の家族が新たに結びつくという意味合いを持ちます。

そのため挙式中は、両家の両親が新郎新婦の後ろに並んで座るのです。

神前式は神殿で挙式を行うので、新郎新婦を合わせて、30~50名ほどの参列が可能です。

2. 神前式を行う場所は?

神前式は、神社で行われることが多いです。

ですが、それだけではありません。

ホテルや結婚式場内に、神殿を設けているところもあります。

3. 神前式の服装は?

神前式は和装というイメージが強いですが、実際には服装に決まりはありません。

ドレスで神前式の挙式をあげることもできます。

とはいえ、神殿での挙式は和装でと考える人が多いようです。

白無垢

白無垢は、最も格式が高い花嫁衣裳です。

打ち掛けと掛け下、小物類まですべて、白色に統一されています。

白無垢と綿帽子の組み合わせは、神前式の場合にだけ許される組み合わせです。

色打ち掛け

打ち掛けとは、小袖の上から同形の衣を、もう一枚かけたスタイルです。

通常は、神前式は白無垢で、披露宴で色打ち掛けを羽織りますが、挙式で着ても問題はありません。

色打ち掛けの場合は、角隠しと組み合わせるのが一般的ですが、色打ち掛け用の綿帽子をかぶることもあるようです。

黒引き振袖

引き振袖とは、裾を引いた振袖のことをいいます。

神前式の挙式で着ることができるのは、原則的には黒字の引き振袖だけです。

ですが近年は、白地の引き振袖を着る人もいるようです。

神前式で黒引き振袖を着る場合には、魔よけの意味もあるので、角隠しをつけるようにしましょう。

五つ紋付羽織袴

男性が神前式に臨む際には、五つ紋付羽織袴が正装になります。

そして、白足袋で白草履を履きます。

スタンダードな色は黒ですが、グレーや白を着る人もいます。

4. 神前式の当日の流れは?

神前式は、入場の仕方や執り行われる儀式に決まりがあります。

参進の儀

琵琶と太鼓、竜笛が奏でる「雅楽」を聞きながら、斎主と巫女に先導され、控室から本殿へと移動します。

これは、「花嫁行列」とも呼ばれています。

新郎新婦の後ろには両家の両親が続き、その後に親族が並びます。

入場

参進の儀で並んだ順番通りに、本殿に入場します。

神殿に向かって右が新郎側、左が新婦側になります。

その後、参進の儀に参列していない親族や友人が、順番に入場します。

修祓の儀

神主が「祓詞」を述べます。

祓詞の後は大幣を振り、罪や穢れを払うとともに、心身を清めます。

祝詞奏上

神主が、両家の結婚を神様に報告する祝詞を読み上げます。

そして、両家のご加護を祈ります。

三献の儀

新郎新婦が御神酒を三口で飲む、「三々九度」を行います。

大・中・小の3つの盃で、それぞれ3回ずつ、合計9回に分けて飲みます。

神楽奉納

巫女さんが、神楽に合わせて舞を奉納します。

誓詞奏上

新郎新婦が神前に進み、夫婦になる誓いの言葉を奏上します。

新郎が誓いの言葉を読み上げ、新婦は自分の名前だけを読み加えます。

玉串奉奠

榊を神前に捧げ、二礼二拍手一礼をするのが基本です。

神社によって、所作が異なることがあるので、神主さんの指示通りに行いましょう。

指輪の交換

新郎新婦がお互いの指に、結婚指輪をはめます。

親族杯の儀

両家の結びを祝い、新郎新婦並びに参列者全員で、御神酒を3口で飲みます。

斎主挨拶

斎主と新郎新婦、参列者一同が神前に拝礼し、お祝いの挨拶を行います。

退場

参列者一同が拝礼し、入場した時と同じ順番で、本殿から退出します。

これは、「退下」とも呼ばれます。

5. 神前式の費用の目安は?

神前式の挙式料は、5~15万円程度です。

挙式を神社で行う場合は10万円程度、ホテルや結婚式場の神殿なら5万円というのが、一つの目安となっています。

神殿が併設されたホテルや結婚式場のお場合、衣裳や着付けがセットされたプランを用意していることもあります。

6. 神前式の注意点

祝詞は練習しておくのがベスト

神前式で新郎が読み上げる祝詞は、言い回しが独特です。

当日スムーズに読めるようにしておきたい場合は、事前に練習しておくことをおすすめします。

友人の参列は確認が必要

神前式は、新郎新婦だけでなく、両家の繁栄を祈るという面があります。

そのため、本殿の収容人数が40名ほどになっており、友人まで呼べないこともあります。

神社によっては、友人が入れない場所があることもあるので、挙式前にきちんと確認しておきましょう。

また、友人は参列できても、「親族盃の儀」で御神酒をいただくのは親族だけというところもあることを覚えておきましょう。

7. 先輩の「神前式体験談」

しまちゃんさん(30歳・女性)より

親族の神前式に参加してからずっと、白無垢姿に憧れていたので、神社で挙式しました。

せっかくの和装なので鬘は文金高島田にして、挙式中は綿帽子をかぶって、挙式後はそのままで撮影しました。

神社は、親族だけでなく友人も参列できるところを選んだのですが、花嫁行列の際に、女性のゲストがヒールでも歩けるように、玉砂利や階段がないことも確認して決めました。

順番に手を洗うお清めをして本殿についた後は、祝詞や神楽の演奏、三々九度、玉串の奉納などの儀式を行ってから、指輪を交換しました

最後に、親族も友人も一緒に固めの盃を交わしたのですが、「新郎新婦が間近に見られてよかった」と、友人たちには好評でした。

親族と親しい友人だけを招いて、こぢんまりとした神前挙式ができて、本当によかったと思います。

引用元:親族や友人も参加型の神前式