結婚前後の手続きリストまとめ(入籍で名字が変わる女性向け)

1. 結婚とは?

結婚とは、「夫婦になること」です。

法的に夫婦と認められるには、婚姻届を提出し、受理されなくてはいけません。

一緒に暮らし周囲からも夫婦同然の認識をされる「事実婚」や、結婚式を行うだけでは、真の意味で「結婚した」とはいえないのです。

2. 「結婚=入籍」は間違い?

よく、結婚の報告などで『入籍しました』ということがありますが、実はこれは正しくありません。

厳密には、法的な意味での結婚は「婚姻届を出して法律上の夫婦になること」であり、入籍は「戸籍に入ること」を意味するからです。

結婚と入籍の違い

入籍は、今まで入っていた戸籍から抜け、新しく別の戸籍に入るということです。

一方、婚姻届を出す(結婚する)と新しい戸籍が作られ、夫婦はそこに属することになります。

このとき、夫婦のどちらかが戸籍筆頭者となり、配偶者は戸籍筆頭者と同じ名字を名乗ることになります。

つまり、結婚したからといってどちらかがもう一方の戸籍に入るわけではないのです。

結婚=入籍のケースとは

結婚と入籍が同義になるケースは、戸籍筆頭者と結婚し、戸籍筆頭者の氏を名乗る場合です。

例えば、離婚経験者で戸籍筆頭者の男性と初婚女性との再婚では、女性が男性の戸籍に入り男性の氏を名乗るとき、結婚=入籍となります。

また、親の戸籍から分籍し戸籍筆頭者となった人と結婚、その人の氏を名乗る場合も、結婚=入籍となります。

女性が戸籍筆頭者の場合

女性に離婚経験があり、元夫の戸籍から除籍し自分が戸籍筆頭者となっているケースがあります。

この女性が、戸籍筆頭者ではない(初婚の)男性と結婚する場合は、新しく戸籍が作られるので入籍とはなりません。

3. 結婚前に必要な手続き

結婚するにあたり、先に済ませておきたい手続きがいくつかあります。

(1)転出に関する手続き

結婚するにあたり新居への引越しがある人は、転出のための手続きが必要です。

転出届を提出すると転出証明書が交付され、こちらは引越し先で転入届を出すときに必要となります。

(2)戸籍謄本をもらう

男性側の本籍地で婚姻届を出すときは女性側の戸籍謄本を、女性側の本籍地で婚姻届を出すときは男性側の戸籍謄本を取得しておきます。

どちらの本籍地でもない場合は、各1通ずつ必要です。

2人の本籍地と婚姻届の提出先が同じ場合は、戸籍謄本は不要です。

戸籍謄本を取得するとき必要な書類は以下の通りです。

  • 戸籍謄本等の交付申請書
  • 身分証明書(顔写真付きのもの)
  • 交付手数料

(3)婚姻届をもらう

婚姻届は早めにもらっておきましょう。

市区町村の役所の該当部署でもらえるので、役所の窓口で「婚姻届が欲しいです」とい申し出れば案内してもらえます。

また、自分で作ったりインターネットからのダウンロードも可能です。

自分で作る場合は、様式(紙の大きさや形、記入すべき内容)を守る必要があります。

4. 結婚するときに必要な手続き

いよいよ結婚となったら、婚姻届を提出しに行きましょう。

ここでは、婚姻届を出すときに気をつけたいポイントをまとめました。

婚姻届の書き方

役所に置かれている見本やインターネットなどを参考に、記入欄を埋めていきましょう。

書き損じたときは二重線と訂正印で訂正が可能ですが、予備としてあらかじめ婚姻届を数枚もらっておくとより安心です。

漢字の間違いや記入漏れなどがあると、受理されるまでに時間がかかってしまうので注意が必要です。

必要書類

婚姻届を出すとき、必要となる書類は以下の通りです。

  • 身分証明書(運転免許証やパスポートなど、顔写真付きのもの)
  • 戸籍謄本抄本

証人が2人必要

婚姻届を提出するにあたり、20歳以上の証人2人による署名と捺印が必要となります。

証人といっても、借金などの保証人とは違い、何らかの責任を負うことはありません。

この結婚が両者の同意によるものだと証明するだけの役割です。

夫婦や兄弟など、同じ名字の2人を証人とする場合、印鑑は別々の物を用意する必要があります。

婚姻届を出す時間に注意!

婚姻届は、365日何時でも提出できます。

祝休日も関係なく、もちろん夜間でも大丈夫です。

しかし、夜間の場合は「預かり扱い」となり、記入内容に不備があった場合、受理されるまでに時間がかかる可能性があります。

心配な人は、できる限り平日の日中に出しに行くようにしましょう。

5. 結婚後に必要な手続き

婚姻届を出した後にも、いくつかの手続きが必要となります。

忘れていると後々トラブルになる可能性のある手続きもありますので、なるべく早めに手続きを済ませておくようにしましょう。

氏名・住所変更の手続きが必要なもの

婚姻届を出すと、名字や本籍地が変わる人もいます。

公的な書類などでは、速やかに氏名・住所の変更手続きをしておきましょう。

手続きが必要な主だったものは以下の通りです。

銀行口座

金融機関によって異なりますが、基本的には取引銀行の窓口に必要書類を提出して、名義変更や住所変更の手続きを行います。

必要書類とは、「すべての通帳・証書・キャッシュカード」「お届け印」「今後使う印鑑」「旧姓と新姓が確認できるもの(戸籍謄本・抄本など)」です。

銀行窓口にある「変更届」「印鑑届け」「カード暗証届け」に記入し、変更申請を行いましょう。

パスポート

すでにパスポートを持っている人は、パスポートを新姓で作り直すか、現存のパスポートと有効期限が同じ「記載事項変更旅券」を作る必要があります。

新規発給の場合、手数料は11,000~16,000円がかかります。

記載事項の変更では、手数料は6,000円です。

運転免許証

結婚して名字や本籍地、住所が変わった場合、免許証の記載情報変更の手続きを行います。

受付場所は地域の警察署、運転免許センター・試験場です。

必要書類は「本籍地が記載されている住民票」「印鑑」「結婚前に取得した免許証」「申請用顔写真(変更内容や地域によって不要な場合も多い)」などです。

変更手続きは無料で行うことができます。

生命保険

自分が入っている生命保険の名義変更はもちろん、受取人に変更がある場合も速やかに手続きを行いましょう。

インターネットや書面での手続きが主流です。

こちらも、保険料の引き落とし口座の名義変更などを済ませてから行うとスムーズです。

クレジットカードの名義

インターネットや書面での名義変更が一般的です。

このとき、代金引き落とし口座も新姓になっている必要があるので、銀行口座の名義変更を済ませてから、クレジットカードの変更手続きを行うとスムーズです。

6. 新居へ引っ越したら行う手続き

結婚と同時に新居に引っ越す人も多いかと思います。

引越しが済んだら、以下の手続きを済ませましょう。

  • 転出届(引越し日の2週間前~引越し後14日以内)
  • 転入届(引越し後14日以内)
  • 公共料金の名義・住所変更(電気・ガス・水道)
  • 郵便物の転送
  • 電話・ネット回線

7. 退職に伴う手続き

結婚を機に退職し主婦になる人にも、いくつかの変更手続きが必要です。

特に、社会保険関連の手続きを忘れないようにしましょう。

退職しても元の保険に加入し続けるのか、夫の社会保険に配偶者として加入するのか、国保・国民年金に加入するのかなど、提出すべき書類がそれぞれ異なってきます。

書類によって提出先も異なるので、あらかじめよく確認しておきましょう。

税金に関する手続き

退職金に関する書類や扶養に入るために必要な書類、確定申告など、税金に関する手続きも必要となります。

提出すべき書類や内容は人によって異なるので、よく確認の上、必要な手続きについてチェックしておきましょう。